と畜後の牛肉の変化と飼養管理が及ぼす影響について

枝肉見方・品質改善

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Ⅰ.通常の変化

1.色

食肉の主要な色素はミオグロビンMbです。

(1)生体時

 ミオグロビンMbは、呼吸で供給される酸素を保有する「酸素型O₂Mb」として「鮮紅色」となっています。

(2)と畜~死後硬直前(肩切前)

(※心肺停止していますが、細胞は完全に死んでいない状態です。)

 と畜後も、(呼吸停止による)嫌気的状態で筋肉内のグリコーゲンを消費してATP(アデノシン三リン酸=生体活動エネルギー、以降ATP)が産生され続けます。筋肉内部で酸素を消費し続けるためミオグロビンは「還元型RMb」として「紫赤色」となってきます。

(3)肩切後

(第一段階)

 切開面の筋肉が空気中の酸素に触れ、30分~1時間以内に「酸素型O₂Mb」として再び「鮮紅色」となっていきます。この現象は「ブルーミング(開花で鮮やかな色になっていく様子)」と言われています。

(第二段階)

 その後、自動酸化により「メト型MMb」として「褐色」となっていきます。pH、温度、湿度、食肉中の酸素分圧などの諸条件によって、その変化量・速度は異なります。この色の変化(鮮紅色⇒褐色)は、日ごろ消費者が、肉の新鮮さ・古さの目安として使っており、陳列棚のコンシューマーパック入りの精肉の選定で最も気にするところの一つです。

(第三段階)

 さらに、腐敗過程になると緑色になります。これは、肉に付着している乳酸菌が産生する過酸化水素によりさらにミオグロビンが酸化されコールミオグロビンとなるためです。この状態は、雑菌が繁殖しているため、食用には適しません(後述)。

表1 ミオグロビンの変化

表示RMb酸素化O₂Mb酸化MMb酸化CMb
ミオグロビン のタイプ還元型 ミオグロビン酸素型 ミオグロビンメト型 ミオグロビンコールミオグロビン
紫赤色鮮紅色褐色緑色
ステージと畜直後
②DFD
肩切品質劣化
 開始
PSE
腐敗

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