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(イ)肝星細胞が壊死またはそれに近い状況になっているため、肝臓にビタミンAを多量に貯蔵して、少しずつ放出することができなくなっており、血中ビタミンA水準を維持できなくなっているケース。
(対応策)
ア.①血中ビタミンA欠乏、②ルーメンアシドーシスを早めに発見・対処し、③肝炎鋸屑肝予防対策を実施することが肝要です。
イ.ビタミンA補給は血中濃度値等を見ながら①18~24ヶ月齢は脂肪細胞分化のため、ある程度血中ビタミンAは下げますが、極端に(去勢30IU/dℓ未満、牝15IU/dℓ未満)に低位にしない、②24ヶ月齢以降は、必要以上に低位が続かないようにビタミンAを補給(例:30万~50万IU)してください。
ウ.ルーメンアシドーシスは、便の性状変化(軟便・下痢)や変色(黄褐色⇒灰褐色)、粗飼料の選択的嗜好、配合飼料摂取量低下などで判断できることが多いです。見つけたら、①配合飼料より稲ワラを先に給与する、②粗剛性のある稲わらの量を最低2kg/日とする、③ビオスリ―などの生菌剤を投与するなどで対応してください。
エ.肝機能低下は、外見では気づかないことが多く、元気消失、歩様ふらつきなど症状が表れてきた時は、肝炎の症状が重いとされています。肝炎発生が想定される肥育ステージ・月齢は、脂肪細胞を分化させるため血中ビタミンAが低くなる18~24ヶ月齢ならびに配合飼料を多給するため第一胃でのエンドトキシン発生量が多くなる肥育後半です(例:25ヶ月齢)。全個体に強肝剤(例:ウルソ10%を25g×3日あるいはウルソ5%は50g×3日)を投与してください。さらに、便の性状変化(軟便・下痢)や変色(黄褐色⇒灰褐色)、食い止まりなど状況に応じて、投与頻度を増やし(あるいは静脈注射)同様に対応してください。投与に当たっては、獣医師に相談してください。
※個体によってウルソの苦みを嫌って所要量を摂取しない場合があります。砂糖・ブドウ糖:ウルソ=1:1に混ぜ投与すると、食い残しが無くなります。
オ.枝肉販売時の食肉衛生検査所の内臓疾病情報などで肝膿瘍の発生が報告されることがあります。ルーメンパラケラトーシス由来の肝膿瘍の場合は、稲ワラの切断長をあまり短くせずに、長ワラ等粗剛性あるものを給与しましょう。肝蛭症由来の肝膿瘍・胆管炎が疑われる場合は、獣医師に相談して駆虫しましょう。
カ.たん白質補給は、配合飼料を高位安定的に摂取できていない場合は、大豆粕(例:1kg/日)を給与するようにしてください。
なお、ズルには、輸送、繋留およびと畜時の怪我による打撲(アタリ性筋炎)などによるものもあります。これらの作業時は、細心の注意を払って穏やかに家畜を扱う必要があります。



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