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(3)調整の失敗の影響
牝の1日当たりの配合飼料給与量が多かったり、ピークが早かったりすると、無駄脂の過付着となったり、枝重が伸び悩んだりします。
去勢の1日あたりの配合飼料が少なかったり、ピークが遅かったりすると、芯ザシの伸び悩みや芯周囲筋の肉ジマリが悪化したりします。

5.注意事項
(1)以上のことは、素牛の体重に大きく影響を受けます。飼い直し時に別表を参考に、アレンジしましょう。
(2)給与量は、牛舎環境や給与飼料成分等にも影響を受けます。枝肉を観察して、必要な場合調整しましょう。
(3)去勢、牝とも重要なことは、粗飼料をしっかりとたべるようにしつけることです。このことにつまずくと、全部に影響がでてきます。
(補足)
1.筋肉を大きくする時期と飼い方の基本戦略
(1)時期は、導入時(9~10ヶ月齢)からおおよそ18ヶ月齢までです。
(2)筋肉づくりに必要なことは、①たん白質を補給すること、②微生物が活動しやすく第一胃を中性に近いpHを維持し、微生物数を増やすことです。
(3)この時期に、給与たん白質や微生物数が少なかったりすると、筋肉(僧帽筋=カブリ、ロース芯)のサイズが大きくなりません。
(2)、(3)は、粗飼料を多給することの大きな意義となっています。
(4)この時期に、穀類を多給すると芯ザシの前に発達する無駄脂(皮下脂肪、筋間脂、カミ脂)が過付着したままとなります。
2.脂肪交雑を入れる時期と飼い方の基本戦略
(1)時期は、おおよそ18ヶ月齢から28~30ヶ月齢です。
(2)ロース芯と芯周囲筋の脂肪交雑アップに必要なことは、①血中ビタミンAは13~17ヶ月齢までは下げ、18~24ヶ月齢で下限値を維持し、25ヶ月齢以降は微増させること、②おおよそ18ヶ月齢からは配合飼料を高位安定的に摂取させるとともに、配合飼料多給で負担が掛る肝臓の炎症を軽減させること、③配合飼料を高位安定的に食べさせるために、肥育開始3ヶ月の飼い直しで、粗飼料多給により胃袋を拡張しておくこと、④肝炎軽減のため、19ヶ月齢と25ヶ月齢等で強肝剤を与えることです。19ヶ月齢は血中ビタミンAを低減させるストレスで肝臓(特に肝星細胞=伊東細胞)が炎症を起こしやすくなるため、25ヶ月齢は配合飼料多給でルーメンアシドーシスによるエンドトキシン発生・解毒により肝臓の負担が増大するためです。個体によって、時期が前後します。③も粗飼料を多給することの大きな意義となっています。
注)脂肪交雑形成を促進するためには、血中ビタミンA濃度を低減させることは、必要条件です。しかし、このことが、肝臓の機能であるビタミンAの貯蔵・放出を担っている肝星細胞に炎症を起こし、さらなるビタミンA欠乏症発症の可能性を促進させます。このため、中盤以降のビタミンA補給にあたっては、事前に強肝剤を投与しておくことが推奨されています。
以上




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