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4.配合飼料(濃厚飼料)のピークの時期、摂取量
質問の背景は、次のとおりです。生物には熟性という成熟速度に関する遺伝的形質があり、牛の場合は、簡単に言うと、体組織の脂肪(特に筋肉内脂肪)割合が高まるのが速いのが早熟、遅いのが晩熟とされます。たとえば、「乳用種は黒毛和牛に対して晩熟である」「枝重が小さく、脂肪交雑が入る血統(資質系)は、早熟。枝重が大きく脂肪交雑が高位になりにくい血統(増体系)は、晩熟」等表現されることがあります。栄養給与方法には諸説ありますが、配合飼料の増給速度で言えば、晩熟のものは早めにピッチをあげ、早熟のものは遅めにピッチをあげると、脂肪交雑と枝重のバランスが取れるのではないか等議論されています。現在では、BMS向上方法は、血統以外では肥育中盤の血中ビタミンA濃度制御が主流となっているのは周知のとおりです。従って、ピーク時期については、むしろ枝重や筋肉・脂肪割合の関連性が重要と考えられます。
(1)濃厚飼料摂取量のピーク時期・
ア.時期のレンジは、導入後3〜14か月後で、上位は以下のとおりです。
①8ヶ月後:17.3%
②6月後:16.6%
③7ヶ月後:15.4%
イ.量のレンジは、8.0〜13㎏で、上位は以下のとおりです。
⓵10㎏:55.8%
⓶11㎏:16.0%
⓷9㎏:11.5%
(コメント)
(1) 配合飼料のピーク月齢の時期が及ぼす枝肉性状への影響は、過去の試験報告でいろいろと明らかになっています。
一般的には、以下のとおりです。
ア.ピークは早めに迎えると、牛の脂肪割合(サシだけでなく、筋間脂肪や皮下脂肪も含めた脂肪量)が多くなります。
イ.ピークを遅く迎えると、牛の赤肉割合が多くなる。
ウ.増体系は脂質系に比べ、脂肪より赤肉が生産されやすいので、早めにピークを設定すると良好肉質が期待できます。
エ.去勢は牝に比べ、脂肪より赤肉が生産されやすいので、早めにピークを設定すると良好肉質が期待できます。逆に牝でピークを早くし過ぎると、厚脂、筋間脂肪、枝重過少などの影響がでることがあります。
オ.ピークを早めに設定しすぎると、ルーメンアシドーシスが発生して、中ダルミを起こしやすい。 ただし、脂肪・赤肉割合は、粗飼料給与量やビタミンA制御方法によっても影響を受けますし、ルーメンアシドーシス発生も粗飼料の給与方法(草種、切断長、給与順序、給与量など)によっても影響を受けます。
以上のような細かな要因がある中で、配合飼料のピークは、16~18ヶ月齢が大半を占めていました。
(2)ピーク時の濃厚飼料の量は、骨格の大きさ、体重、増体速度等で必要量が影響を受けるので、適否を言及できませんが、逆に優良事例の帰納法的な結果の大半が、10㎏だったということに尽きるのかもしれません。



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