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6.ビタミンAの投与方法
サシを入れるための血中ビタミンAコントロール指標値は広く知られていますが、指標値はインプットとアウトプットの差です。インプットとアウトプットは様々な要因で多様化しています。
(1)素牛導入時投与量
投与量のレンジは10万IU〜300万IUで、上位は以下のとおりです。
ア.40〜60万IU:57.0%
イ.無投与(配合飼料や粗飼料からのみ与える):25.0%
ウ.80〜100万IU:14.8%
(2)肥育中盤以降の投与量
ア.投与量
投与量のレンジは無投与(配合飼料に含まれる)〜300万IUで、上位は以下のとおりです。
①25万〜40万IU:20.8%
⓶45万〜60万IU:20.2%
③ビタミンA製剤としては無投与(配合飼料から):17.0%
④測定派:導入時のビタミンA投与は血液検査の結果で判断(例:80IU/㎗以下50〜100万IU投与)
イ.投与時期
投与時期のレンジは16〜出荷で、上位は以下のとおりです。(複数回答)
①24ヶ月齢
②20ヶ月齢
⓷23ヶ月齢
(3)ズル、シコリ対策
生産者が効果があった(ズル・シコリが減少した)というビタミンAの投与例
例1:出荷3か月前に50万IU投与
例2:出荷2ヶ月前に25万IU投与
例3:出荷1ヶ月前に50〜100万IU
例4:出荷2週間前に90〜150万IU投与
(コメント)
先述したようにビタミンA欠乏に対する投与量、時期の選択に当たっては以下のように様々な要因が絡んでいます。
⓵脂肪交雑を入れるための血中ビタミンA低位維持時期か否か
当該時期(約18〜24ヶ月齢)は、極端に低位(30IU/㎗以下)は避けるべきですが、大量投与して血中ビタミンA濃度が上昇(50IU/㎗超)すると筋肉内脂肪細胞の分化が抑制されやすいとされています。
⓶肝臓の蓄積能力はどうか
ビタミンAは、主に肝臓の肝星細胞(伊東細胞)に蓄積され、必要に応じて肝臓中でリポタンパク質と結合して血中に放出されるとされています。ところが、「極端なビタミンA欠乏」や「ルーメンアシドーシス起因のエンドトキシンの肝臓への解毒負荷増加」等による肝星細胞のビタミンA蓄積機能が低下すると、ビタミンAを投与しても、蓄積量が少ないので長期的に血中放出ができなくなります。このため、事前に、強肝剤投与することが奨められています(例:16ヶ月齢および25ヶ月齢)。
アンケートでは、以下のとおりです。
a.強肝剤の種類:ウルソ、レバチオ、ミル肝
b.投与時期:レンジは14〜29ヶ月齢でした。
⓷外気温
夏場等に外気温が高まると、ビタミンAの消費量が高まることが知られています。
⓸増体速度
増体速度が高まると、ビタミンAの消費量が高まることが知られています。
(補足1)肝廃棄率の推移(東京食肉市場)

直近では、肝臓疾病(肝炎、肝膿瘍、胆管炎、肝蛭症)の発生は約1/2の割合となっています。
(補足2)強肝剤について
動物用 医薬品医療機器要覧によると、以下のとおりです。
ア.ウルソ:ウルソデオキシコール酸[胆汁分泌促進、肝細胞保護作用(肝細胞の障害軽減、胆汁分泌促進(利胆)作用]
イ.レバチオニン:dl-メチオニン(抗脂肪肝作用)、ビタミンB群(解毒促進作用)
ゥ.パンカル:ビタミンB5(解毒促進作用)
エ.ミル肝:dl-メチオニン(抗脂肪肝作用)、ビタミンB群(解毒促進作用)
オ.バイパスコリンやバイパスメチオニン(抗脂肪肝作用)



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