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冨谷 尚博
1.はじめに
平成26年を振り返りますと、肥育経営を取り巻く環境の主な特徴は、以下のとおりでした。
(1)平成20・21年を底値とした素牛価格は、依然として高騰し続けていました。
(2)飼料費は、海外の気候変動、円安等により高止まりしています。
(3)牛肉消費は、少子高齢化や消費増税により金額ベースでは増加しているものの、数量ベースでは低迷しています。
(4)枝肉相場は、出荷頭数不足を背景に極めて堅調に推移しています。そのため、肩薄や肉ジマリの不足した早出しの牛も散見されていました。
以上のことから、農家の経営戦略としては、生産コストが高騰していることから、①枝重を増加させること、②事故率を減少させること、③肉質等級のスソものを減少させること等を志向していることが想定されました。
肉の中卸の戦略としては、セリ市場相場は堅調に推移しているものの、小売店への卸価格が追従していないことから、悪化している採算性を改善させるため従来の芯ザシに加え、筋間脂肪や皮下脂肪の過付着がない歩留りがよい枝肉や売行きの好調な「モモ」でヌケの良い枝肉を志向していることが想定されました。
このような状況下で、血統はどのように変化しているのでしょうか。
dポイントがどんどんたまる【d払いポイントGETモール】平成26年(1~12月)の枝肉共励会、研究会等のデータを中心に過去2年間を遡及して性別・品種別の枝肉成績を比較検討しました。
注)これらのデータは、東京食肉市場に出荷された東日本地区が中心です。表面上は種雄牛別の遺伝効果だけを解析しているように見えますが、実際は篤農家の飼養管理技術(逆もあり)等の効果も含まれており、統計学上分離できていませんので、あらかじめ了解願います。
2.解析頭数について
人気のある種雄牛は上場頭数が多くなり、単位種雄牛あたりの解析頭数は増加するので、代表値の信頼度・精度は向上します(しかし、このことと成績上位になるか否かは別のことです)。このため、ある程度の信頼度を確保する目的で、単位種雄牛あたりの解析最低必要頭数を決めて、データの足切りをして解析しました。解析頭数は、従来シリーズ(寺島、平成21~25年)の解析条件を踏襲し、種雄牛単位の出荷頭数で黒毛和種去勢・牝は20頭以上、交雑種去勢は4頭以上を対象とし、その結果黒毛和種去勢(父系解析ベース)はH26:3,282頭+H25:4、429頭+H24:4、364頭、黒毛和種牝(父系解析ベース)はH26:782頭+H25:1、412頭+H24:1、326頭、交雑種去勢牛はH26:130頭+H25:315頭+H24:350頭、総計16,390頭でした。


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