枝肉重量の大型化について(高増体血統をうまく飼うために)

共励会・種雄牛

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8.肥育後半での留意点

 枝重大型化における肥育後半の想定される課題はビタミンA欠乏とルーメンアシドーシスです。前者は高増体速度によるビタミンA要求量の増大によるものであり、後者は増大に見合った配合飼料摂取量要求量の増大に伴う現象です。

 ア.ビタミンA欠乏

 個体差がありますが、去勢では30IU/dℓ未満、雌では15IU/dℓ未満で食欲低下がおこることがあります。後述のビタミンA欠乏以外の要因もあるので、懐中電灯による簡易ビタミンA検査か専門業者による血液分析で確認して投与してください。症状に応じ、10万(軽度)~30万IU(重度)を投与してください。ポイントは、なるべくビタミンA投与以外の方法で摂取量の回復をはかり、ビタミンA投与の回数を少なくすることです。

  ※肝機能対策:ビタミンAは主に肝臓の肝星細胞に蓄積され、リポタンパク質(LBP)で、運ばれ

  るので肝機能が低下していると、ビタミンAの蓄積・分配機能が低下し、ビタミンA投与の反応が悪

  くなることがあります。そのため、ビタミンA投与にあたっては事前のウルソ投与をお勧めしま

  す。

  (補足)ビタミンAコントロールのコツ

   ①食い止まりはビタミンA欠乏とは限りません。ルーメンアシドーシスが原因のときもありま

    す。瞳孔収縮速度や脚腫れなどの兆候で確認しましょう。

   ②導入後1年間は、大量のビタミンA投与は我慢しましょう。ビタミンAサプリメント「さじかげ

    ん」やチモシーなどの低濃度のものでしのぎましょう。ウルソ給与(20g/日×3~10日)も

    効果的です。

   ③共励会の入賞者は22~25ヶ月齢は30~50万IUの投与が多いようです。事前にウルソ投与して

    肝臓の調子を整えておきましょう。肝炎を起こしているとビタミンAの効きが悪くなります。

イ.ルーメンアシドーシス(胸焼け)

  (ア)ルーメンアシドーシスが起こる仕組み

    ①飼料は第一胃で微生物の働きで,酸に変換されます。

    ②穀類は短時間で多量のプロピオン酸に変換され,粗飼料はゆっくり少しずつ酢酸に変換され

    ていきます。

    ③変換された酸は,胃の絨毛から吸収され,血管を通って肝臓へ入りブドウ糖や脂肪などの栄

    養素に転換されます。

    ④ところが,胃の絨毛から吸収する速度に比べ,微生物が飼料から酸に変換する速度が速くな

    ると,pHがどんどん下がっていきます。

    ⑤pHが下がりすぎると,多くの微生物が死滅します。

    ⑥この結果,第一胃内の飼料が未消化の状況で滞留し,食欲減退などの症状を現すことがあり

     ます。

    ⑦さらに,死滅した微生物からは,エンドトキシンという毒が放出され,解毒のため肝臓に負

     担がかかり肝炎を起こします。また,エンドトキシンが第四胃に流入して,迷走神経末梢を

     麻痺させ第四胃の炎症・拡張・移動により第四胃変位を誘発することもあります。

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