肥育牛の肝臓廃棄について

枝肉見方・品質改善

Views: 1047

2.枝肉成績に影響を及ぼす要因のうち肝臓機能に関連するもの

肝臓の機能は、臓器の中でも多岐にわたることが知られていますが、今回は、枝肉成績に大きく関与すると考えられる機能のみに焦点を当てました。

(1)消化酵素(胆汁)の生成・分泌

機能は、脂肪分解を担う胆汁の生成と胆のうを経由しての消化管への分泌です。

脂肪分解酵素が減少すると、飼料中の脂質の消化率が減少します。生糠類(ホミニーフィード、生米ぬか等)、大豆など高脂肪の原料を含む場合、胆汁分泌量の減少で「軟便やエネルギー不足」を生じる場合があります。

(2)エネルギー(糖質、脂質)の蓄積・新生

機能は、飼料を第一胃内微生物が分解あるいは、産生した中間生成物をもとにしたエネルギー新生です。

肝機能が低下すると、プロファイルテストの血液検査でエネルギーの充実度の指標「総コレステロール値」が充分上昇せず、BMS№や枝肉の肉ジマリが不十分となることがあります。

(3)解毒

機能は、ルーメン内で、たん白質供給過剰による大量のアンモニアの発生やルーメンアシドーシスによるエンドトキシンは牛体にとって有害なため、肝臓に吸収して解毒することです。その際に、肝臓の負担が大きすぎると、鋸屑肝(重度の肝炎)が発生することが報告されています。

(4)ビタミンAの蓄積・放出

機能は、肝星細胞(伊東細胞)でのビタミンAの蓄積と放出です。

機能が低下すると、外部からのビタミンA投与効果が低下し、ズル・シコリやメクラ(失明)、膀胱炎、膀胱結石などの症状が出ることがあります。

(5)飽和脂肪酸の不飽和化(脱水素)

機能は、加齢にともなう脂質の飽和脂肪酸の不飽和化(脱水素)による脂質融点の低下です。

機能が低下すると、融点が上昇して固い脂肪となることがありますが、融点に影響を及ぼすその他要因として、血統(例:貴隼桜=LIAJや飼料中の脂肪酸組成等があるので、必ずしも融点上昇とならない場合があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました