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3.飼養管理上の基本的な対応
(1)夜中の見回り
頭数が多い農場では、当番を決めて見回りを実施します(夜勤手当も支給しているケースもあります)。夜10時、早朝4時の2回や、夜8時、12時、朝4時等の3回の見回りを実施しているケースもあります。経費と労力はかかりますが、牛の死による経済的な損失は無視できません。近年、AIでセンサーを牛につけてコンピュータで動作の大小波を処理して、動作の止まりが一定時間を超えると、携帯にアラートを送る装置も活用されてきています。多頭飼育では必須のアイテムになるでしょうか。
○牛に音程が高い声(大きいではありません)を掛けて振り向く等の反応を確認しましょう。牛の気づきやすい周波数は2,000HZぐらいとされています(注:バイオリンやピアノの高音部程度)。
○呼び掛けに対する反応が見られない場合は、長靴の爪先で牛の胴体を揺すってみます。牛が驚いて急に振り向いたりすることもあるので、くれぐれも、自分の顔を近づけないようにしましょう。
(2)日頃の観察の励行
少しでも早く牛の異常が発見できれば、突然死も含めて、事故はかなり、少なくなると思います。ポイントは以下のとおりです。
3.疾病別のポイント
(1)急性鼓脹症
(原因)
- マメ科乾草(ルーサンヘイ、ヘイキューブ)の多給、②粗飼料不足下での配合飼料の多給、③飲水不足で第一胃胃液の粘張性の高まり、④モネンシン入りの配合飼料からモネンシンなしの配合飼料への急変等の条件ですると発生するとされています。⑤遺伝性もあるという説もあります。また、⑥牛床に仰向けにはまって起き上がれなったり、仕切柵の鉄柱に角を挟めて頭頸部固定となったりすることで、腹部蠕動の停止が第一胃の異常発酵を促進し、曖気(ゲップ)吐出不全が相まって鼓張症になることもあります。
(症状)
- 右腹部が隆起する、②うなる、③呼吸困難・呼吸が数多くなる、④後肢で腹を蹴る動作する、⑤一度症状が出ると、慢性化することが多いようです。
(対応策)
- 鼻環を釣り上げて、口を上部に向け、ホースを口から胃袋に向かって入れ(気管に入れないように)、ガスを抜きます。②牛用消泡剤(ガストリン等、ない場合は食用油)を飲ませます。③症状がひどい場合は、緊急措置として套管針でガス抜きする(獣医師のアフターケアが必要)か、早めに獣医師に診療してもらいます。
(予防)
- 配合飼料を給与する前に粗飼料を給与し、30分経過後に配合飼料は発酵速度の穏やかな、加熱加工(ペレット加工、圧扁加工、蒸煮加工)してないものをやや少なめに給与にします、②(ヘイキューブ等マメ科乾草を含むものの多給を避けます、③稲ワラを多め(2〜3kg/日)に給与します。④給水器の流量・清掃留意します、⑤牛床での体勢(仰向け、角ひっかけ)に留意します。⑥慢性化した場合、専用のナイロンたわし(商品名ルーメンファイブ)を投与したり、モネンシン入りの配合飼料を給与したりすることもあります。なお、⑤の牛床管理の留意点はつぎのとおりです。
(敷料の管理)
牛が寝た場合、起き上がれなくならないように、常に、牛床中央部を窪まないようにやや盛り上げます。20ヶ月齢以降の肥育牛は、敷料はむやみに多くしないようにします。夏にハエが発生しないような厚さにします。素牛導入時は、動き回る頻度が高く、肢を滑らせ易いので、ある程度厚く敷きます。



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