肥育牛の突然死対策

肥育管理

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(2)ルーメンアシドーシス

(原因)

  • 粗飼料不足下で配合飼料を多給すると、第一胃での単少糖・デンプン等易消化性炭水化物による急激な発酵により第一胃液のpHが急激に低下します。②pHの低下によりグラム陰性菌の死骸からエンドトキシンが産生し、③解毒担当臓器で肝炎・鋸屑肝が発生したり、④大量発生したVFA(低級脂肪酸)により第4胃変位が発生したり、⑤ヒスタミン産生による蹄葉炎発生など、様々な障害を引き起こします。

(症状)

  • 配合飼料を食い残す、②下痢・軟便で尻が汚れる、③便の色が灰色が多くなる、④やたらと粗飼料を食べる、⑤元気がなくなる

※急性症状を経過せず、軽度で慢性化すると、肝臓の機能低下でビタミンA欠乏症やエネルギー代謝(糖新生、リポたん白質新生)低下で、枝肉所見ではウデ・カブリなどの肉ジマリを悪くさせることが多いので留意が必要です。

(対応策)

①稲ワラの量を増やします(最低1.5kg/日)。②第一胃への唾液の流入量が多い粗飼料を配合飼料より先に給与します。③最低2週間は、生菌剤(ビオスリー等)を投与します、⑤可能であれば、加熱加工した易発酵性の圧扁大麦の給与量を減らしたり、圧扁トウモロコシの厚さは厚めにしたり、粉砕部分(マッシュ加工)の粒度を粗目にしたり、割合を増やしたりします。

(予防:理想的な粗飼料の与え方) 

仕上げ期の粗飼料(稲ワラ等)は、濃厚飼料を食べさせるための道具と考えます。

しかし、共励会等で入賞した牛の多くは、出荷まで、濃厚飼料もワラも順調に食べたという報告が多いです。また、粗飼料を食べた牛は、事故が少ないとも言えます。

  • 朝、涎のついた粗飼料を始末し、新しく粗飼料を与えます。
  • 次に濃厚飼料を与え(粗飼料を与えてから約30分後)、あらかた食べたら、また粗飼料を与えます。粗飼料は、飼槽の端に食べると思われる量をまとめて置いておきます。
  • 夕方の飼料給与の手順も同様です。残った粗飼料を始末するか飼槽の端に置く。空の場合は、また粗飼料を与える。粗飼料をあらかた食べたら、濃厚飼料を与える。濃厚飼料をあらかた食べたら、翌朝まで、食べる分の粗飼料を、飼槽の端っこに置いておく。
  • 翌朝残った粗飼料は、牛床に捨てて敷料にするか、もう一度、食べさせるという方法もあります(涎が付着しすぎていたり、粉が多かったりすると食べません)。
  • 粗飼料の切断長・茎の粗剛性も、給与方法と同様に第一胃の発酵速度に影響を与えます。切断長が短すぎず(シャープペンシルの長さが良、長すぎると牛床への引き込み多)、手で揉んでも粉が発生しない程度の粗剛性が必要です。糞便の固さをみて、チェックしましょう。
  • 給水器の弁のメンテや、清掃を励行し、給水環境を整えておくことは、粗飼料をしっかり摂取させるには不可欠なことです。

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