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3.飼い馴らしの基本パターン
肥育の頭の部分で、①配合飼料給与量を抑え粗飼料を多給すること、②体型に応じたん白質を補給すること等がポイントとなります。
(1) 肥育後半もしっかりたべられる胃袋筋肉強化、容積の拡張のために
粗飼料を多め(最低3.5kg/日、理想的には5~6kg/日)にし、配合飼料は粗飼料を食いこめる量まで落とします。
(2)肩バラ薄にならないよう筋肉肥大促進のために
たん白質を多めに与えます。たん白質サプリメントや大豆カスを500g/日程度(体重300kg黒毛和種去勢牛DG1.0時の要求量の約1/3)を追加給与しましょう。たん白質の消化能力は個体差があるので、個別に糞便をチェックして緩い時は、量を少なくしましょう。併せて、たん白質代謝を高めるために強肝剤(例:ウルソ5% 30g×3日間)を与えましょう。搬送・環境変化で疲れた素牛の肝機能は低下して、たん白質合成能力が低下しているかもしれません。また、第一胃内で多量のアンモニアが発生しやすいたん白質多給条件では、オーバーフローしたアンモニアの解毒でかなり肝臓に負担が掛ることが想定されます。
前述した粗飼料多給は、第一胃内微生物の活性を高め、微生物体たん白質供給の必要条件となっていることは、言うまでもありません。
(3)過剰な皮下脂肪・筋間脂肪を落とすために
配合飼料に含まれる穀類(とうもろこし、大麦、マイロなど)は、高カロリーであり、中性脂肪の源となります。肥育の前半での穀類過剰給与は、すでに存在する皮下脂肪・筋間脂肪を増大させるので注意しましょう。穀類から産生されるプロピオン酸は脂肪を蓄積させる「インシュリン」というホルモンの分泌を促進するからです。
一方、前述した、粗飼料の多給はインシュリンの分泌を抑制し、筋肉づくりの源となる微生物体たん白質産生に良好なpH環境を整える効果があります。
(補足)体組織での脂肪発達の順序(CIANZIOら)
腎脂肪⇒皮下脂肪⇒筋間脂肪⇒筋肉内脂肪・腸間膜脂肪の順に発達します。
(補足)粗飼料多給のコツ
- 飼料給与順序は、粗飼料を与えある程度食べてから、配合飼料を与えて下さい。逆にすると、群飼いの場合、ルーメンアシドーシスの誘因となるだけでなく、ボス牛が配合飼料をドカ食いする等ムラ食いの原因となります。
②食べ残す場合は、鉛筆ぐらいの長さに切断してみます(長くても食べていれば切断不要です)。
- 飼槽に粗飼料を入れっぱなしにせず、必ず一日1回は空にして、毎日新鮮な粗飼料を与えるようにします。入れっぱなしでは、涎が付着したり、梅雨時には水分を吸ってカビが生えたりして嗜好性が低下します。
- 飼槽を毎日空にするためには、朝の給与直前の飼槽の底の状況を飼料がパラパラ程度に残る程度に管理しましょう。飼槽の底まで舐めつくしていると、牛房内順位が低い個体が飼料を充分食べきれていない可能性があります。そのためには、毎日の飼料給与量をます、バケツなどの容器で計量給与していくことが必要です。
(例:稲ワラは箕(み)で1.5杯、配合飼料はバケツで3杯)



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