Views: 486
冨谷 尚博
1.はじめに
平成28年を振り返りますと、肥育経営を取り巻く環境の主な特徴は、以下のとおりでした。
(1)平成20・21年を底値とした素牛価格は、さらに高騰し続けていました(史上最高)。
(2)飼料費は、海外の気候変動、円安等により高止まりしています。
(3)家計牛肉消費は、一昨年に比べ数量ベースで回復基調にありますが、購買単価は減少傾向にあります。
(4)枝肉相場は、出荷頭数不足を背景に極めて堅調(史上最高)に推移しています。そのため、肩薄や肉ジマリの不足した早出しの牛も散見されていました。
以上のことから、昨年同様、農家の経営戦略としては、生産コストが高騰していることから、①枝重を増加させること、②事故率を減少させること、③肉質等級のスソものを減少させること等を志向していることが想定されました。
肉の中卸の戦略としては、セリ市場相場は堅調に推移しているものの、小売店への卸価格が追従していないことから、悪化している採算性を改善させるため従来の芯ザシに加え、筋間脂肪や皮下脂肪の過付着がない歩留りの良い枝肉や売行きの好調な「モモ」でヌケの良い枝肉を志向していることが想定されました。
このような状況下で、血統はどのように変化しているのでしょうか。
平成28年(1~12月)の枝肉共励会、研究会等のデータを中心に過去5年間を遡及して性別・品種別の枝肉成績を比較検討しました。
注)これらのデータは、東京食肉市場に出荷された東日本地区が中心です。表面上は種雄牛別の遺伝効果だけを解析しているように見えますが、実際は篤農家の飼養管理技術(逆もあり)等の効果も含まれており、統計学上分離できていませんので、あらかじめ了解願います。


コメント