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2.軟化抑制の対応策
(1)飼料
ア.玄米の適正給与
粉砕玄米は濃厚飼料の上限を7~8%(生米ぬかは4~5%)として給与しましょう。粉砕玄米は発酵速度が速いので、ルーメンアシドーシス対策として稲ワラ等粗飼料は通常よりやや多めに給与しましょう(例:1.5~2.0kg)。
※オレイン酸が多いのは、米の油脂分が多い胚芽部分ですので、胚芽を削る精米後の含有率は低くなっています。
イ.植物性発酵残渣、発酵飼料の適正給与
植物性の発酵残渣(DDGSなど)・発酵飼料は多給しないようにしましょう(例:濃厚飼料の約5%以内)。
ウ. 粗飼料によるルーメン発酵調整
濃厚飼料を多給する場合は、併給する粗飼料も多め(例:1.5~2.0kg/日)にして、プロピオン酸に対する酢酸割合を高めましょう。
エ.大麦の給与
脂肪融点を上げる飽和脂肪酸を多く含む大麦を最低出荷半年前から給与しましょう。このことは、多くの農家で普通に実施されています。給与割合は、配合飼料中の大麦を含め20~50%の範囲にとどめましょう。発酵速度が速いので、ルーメンアシドーシス対策として稲ワラ等粗飼料は通常よりやや多め(例:1.5~2.0kg)に給与しましょう。
(2) 環境温度・体感温度の調整
ア.冬季には体感温度の極端な低下を防ぐため、牛体に直接風雪を当てない様に風上側の隙間を塞ぎましょう。
イ.腹部の体熱放熱による体温低下を防ぐために、敷料をこまめに交換しましょう。
(3)肥育後半の食い止まりの改善
前述の仮説に対する対応です。以下は、主なものです。
ア.肥育前半は、第一胃の拡張のため、充分な量の粗飼料を摂取させましょう。(例:肥育開始~3ケ月で3.5kg/日以上)
イ.粗飼料給期間以降も、一定量(例:1.5kg/日)の粗飼料を、配合飼料給与前に摂取させましょう。
ウ.食い止まりが出た場合、配合飼料を少し減らし、その分粗飼料の量を増やしたり、切断長の長い粗飼料を置き換えましょう。
エ.粗飼料摂取のためには、清潔な給水が不可欠です。給水器を清潔に保ちましょう。


コメント
私は、主にメスの和牛肥育を50頭程行っている農家です。今回、脂肪が硬いと指摘を受けており改善するためにどんな内容の餌を給与したらよいのか検索していたところ、重要な解説で非常に興味深い内容を購読させていただきました。
餌については、大麦の量が多いのではないかとアドバイスを受けて麦の量を減してみたのですが、一向に改善しません。下記に餌の内容の主なものを記しますので改善策があればご指導をお願いいたします。
記
1.トウモロコシ圧ぺん 30%
2.皮むき大麦圧ぺん 16
3.専管ふすま 16
4.大豆かす 8
5.一般ふすま 10
6.その他
以前は、トウモロコシ、麦、専管は、ほぼ同じ割合でした。
竹脇様
記事の閲覧ありがとうございます。
さて、脂肪の固さについて確認させてください。
(1)脂肪が固いと評価を受けている地域は、西日本ですか、東日本ですか。ざっくり言って西は柔らか志向、東はやや固め志向です。
(2)脂肪が固いと評価されるのは、夏ですか冬ですか。1年中ですか。夏は柔らかめ、冬は固めになります。
(3)症状はいつごろからですか。1年以上前からですか。濃厚飼料を変えてから効果が出始めるまで、最低半年はかかります。
(4)種雄牛は何ですか。安福久などは脂肪が固くなります。
以上のことを教えてください。それで、改善策を提案したいと思います。
早速の返信ありがとうございます。
(1)メスは名古屋の南部市場に出荷してます。買参人から指摘を受けました。
(2)1年を通して硬いです。
(3)1年以上前からです。
(4)種雄牛は、宮崎県種雄牛です。安福久にはこだわってません。
以上、返答します。よろしくお願いします。
追 昨日メールした餌がメインなのですが、JAのモネシンの入った餌を3割程併用しております。とにかく、麦が硬くなるという認識があるので麦を減らしてるのが現状です。また、出荷の3か月前位からホミニーを添加すると軟くなるという情報を得て、ホミニーを10%程度添加してますが、かわりません。
最近は、上物も簡単に出るようになり、さし重視から脂質も重要視するようになった傾向にあるのではないでしょうか。
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方法を考えます。
竹脇様
(1)脂肪に固さは、濃厚飼料なら出荷前半年以前の給与切り替えしてから徐々にかわっていくこと、遺伝などの要因も絡み、濃厚飼料だけの急激な餌の変更は、おすすめしません。
(2)そのような前提で、脂の柔らかさ追求は、融点(固体から液体に代わる温度、例えば氷⇒水は0°です)を下げることです。融点を下げる不飽和脂肪酸は植物種子の胚芽(将来、芽になる組織)に多く含まれます。
(3)原料で言えば、生米ぬか、米粉、ホミニー(トウモロコロシ胚芽粉)などが代表的です。
(4)留意点は、いずれの原料も、第一胃で急激に消化されやすいので、わらを十分与えること等、ルーメンアシドーシスにならないようにすることです。目安で言えば、5~10%。ルーメンアシドーシスは下痢軟便になります。
(5)種雄牛の選定も効果があります。家畜改良事業団のHPをご覧ください。https://liaj.lin.gr.jp/beef/profile?profile=p%e9%bb%921061
ご教授ありがとうございます。今までは3か月を目安に添加してましたので、出荷半年前えから添加を試みてみます。
それからもう1点なのですが、現状は質はもとより量を取らないと経営的に厳しい状況です。メスは濃厚飼料の給与量のコントロールで皮下脂肪がつき易いと思いますが、どういった点を気を付けたらよいのでしょうか。
まーくん
まず、記事「去勢と牝の飼い方の違いについて」で基本的な事項を覚えてください。
もう一歩突っ込むためには、記事「枝肉重量の大型化について」を読んでください。
読む順番を逆にしないようにしてください。※平均枝肉重量が450とれているのであれば、後者から読んでも結構です。
最終的なポイントは肉質等級と枝肉重量の両立です。